マテリアライズは、アディティブマニュファクチャリング業界をリードするソリューション企業として知られています。ツタンカーメン王のミイラのレプリカを短期間で製作する仕事に最も適している会社は、マテリアライズをおいて他にはありません。ナショナル・ジオグラフィックスとアーツ・アンド・エキシビションは、米国内を回る巡回展の最後の開催地ニューヨークで、新たに人目を引く展示を追加したいと考えていました。そして、ツタンカーメン王のレプリカこそ、ディスカバリー・タイムズ・スクエア・エキスポジションでの特別展示にふさわしいという結論に至りました。彼らは、自然史および先史時代の模型を製作する『スターブ・スタジオ』のゲーリー・スターブ氏に、ミイラのレプリカ作成を依頼しました。そしてスターブ氏は、製作を開始するにあたり、マテリアライズの力を借りることにしました。

Reconstructed 3D model of Tutankhamun in Mimics

ゲーリー・スターブ氏は、マテリアライズのソフトウェアについて聞いたことがあり、3Dファイルを作成して「マンモス・アディティブ・マニュファクチャリング・マシン」からモデルを3Dプリントできることも知っていました。そして、時間的な制約への配慮から、実際のミイラを寸分違わず再現したレプリカを製作するためには、この方法が最適であると判断しました。

作業は、ツタンカーメンのミイラのCTスキャンデータをMimicsソフトウェアにインポートすることから始まりました。これに基づいて、Mimics内で、実際のミイラの正確な3Dモデルが作成されました。次に、マテリアライズのMaterialise 3-maticソフトウェアを使ってモデルが中空化されました。中空化は、造形に使用する材料の分量を削減し、最終製品を軽量化するための重要な方法として利用されました。また、中空構造にすると積層面の面積が減ることから、造形プロセスにかかる時間も短縮することができます。

 

Hollowing of the 3D model in 3-matic

 デジタルモデルの準備ができた段階で、マテリアライズのチームは、Materialise Magicsソフトウェアを使ってファイルの修正を行いました。これは、モデルを「水漏れのない」いわば中空状態にするための処理で、3Dプリンティングに欠かせない手順です。

こうしてバーチャル空間内で変換されたツタンカーメン王は、マテリアライズの「マンモス・ステレオリソグラフィー・マシン」によって造形され、その姿を蘇らせました。ステレオリソグラフィーは、液状の光硬化性樹脂にレーザーを当てることによって物体の断面の形に硬化させ、これを何層も重ねることによって3次元形状を作り出す技術です。材料が液体樹脂であるため、この造形処理が完了するまでの間、作成される部品を支える「サポート構造」が必要になります。マテリアライズは、造形を成功させるために必要なサポート構造を自動的に生成する専用のソフトウェア、Materialise e-Stageを提供しています。モデルの造形が終了すると、サポートは部品から取り外されます。e-Stageが生成するサポートは、部品との接触面積が小さいことから、簡単に取り外すことができます。

再現されたツタンカーメン王の体は、その他の有名な副葬品とともに、2011年1月2日までニューヨーク市内で見ることができます。ぜひ実際に目で見て、お確かめください!ツタンカーメン王のレプリカの製造プロセスのビデオは、こちらをクリックしてご覧ください。

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The model being printed on one of Materialise’s Mammoth machines

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Printed model showing the supports automatically created by Materialise’s e-Stage software

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The Materialise team post-processes the model before shipping it overseas

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Gary Staab adds detail, color and texture to the model