アディダスの店舗に気軽に立ち寄り、ランニングマシンを軽く走るだけで、すぐに自分だけのランニングシューズが3Dプリントできるーー。アディダスがFuturecraft 3Dを通じて目指すのは、そんな未来。足の形、輪郭や圧力がかかる部分にぴったり合わせた形状、高い柔軟性と通気性全てを実現する3Dプリンタ製シューズは、アスリートに最適なランニング環境を整えます。さらに既存のデータソースやフットスキャン技術を用いることで、3Dプリントした靴を即時に店内で試着できるようにするなどの計画も。

 

 

すべてのアスリートへ究極のカスタム体験を提供するべく、アディダスはFuturecraft専用の3Dプリント用材料と造形プロセスのユニークな組み合わせを開発しました。完全カスタムメイドの形状とクッション性が実現できる3Dプリントで、アスリートの最高のパフォーマンスを引き出すのが狙いです。アディダスが開発したこの技術により、次世代のランニングシューズ製造が実現しようとしています。

グローバルブランドを統括するアディダス グループ経営幹部、エリック・リーケ氏は次のように述べています。「Futurecraft 3Dは試作品であるとともに、ひとつの意思表明でもあります。私たちはこれまでとは全く異なる方法により、3Dプリントの方法と材料のユニークなコンビネーションを生み出しました。今回、3Dプリンタ製ミッドソールの誕生により、私たちが素晴らしいランニングシューズを作るだけにとどまらず、パフォーマンス・データを活用して真なるオーダーメイド体験を推進し、あらゆるアスリートのニーズに応えられるようになります」

 

 

マテリアライズは、adidas Futurecraft 3Dに対して3Dプリントミッドソールの軽量な格子構造の生成を支援。マテリアライズのデザイン・エンジニアリングチームはMaterialise 3-maticを利用し、剛性と強度を損なうことなくミッドソールの柔軟性を向上する格子構造を設計しました。ミッドソールは、さらに認証を受けたマテリアライズの製造工程で、TPUというコンシューマー製品に使用可能な耐久性のある柔軟な3Dプリンティング用素材をレーザで焼結して作成されました。また、アディティブマニュファクチャリングの自動化・コントロールシステムであるMaterialise Streamicsは、コンシューマー向け最終製品の製造に不可欠であるトレーサビリティと再現性を確保し、生産プロセス全体を把握することを可能にしました。

このコラボレーションをコーディネートしたマテリアライズのHaritz Elexpuruは「 アディダスとのプロジェクトは、マテリアライズの認証製造プロセスに取っても素晴らしい機会となりました。 ソフトウェアから、ラピッドプロトタイピング 、そして製造に至るまで:マテリアライズの強みのすべてがFuturecraftのために重要な役割を果たしました。」と述べました。

次のステップ:Futurecraftシリーズ

Futurecraft 3D のストーリーは、アディダスブランドとしての製造分野全般にわたるイノベーションへのコミットメントを示す Futurecraft シリーズにおける第一章です。

 

 

アディダスのクリエイティブ・ディレクター、Paul Gaudio氏 は次のようにコメントしています。「Futurecraft は、 私たちにとってのサンドボックスのようなものです。つまり、いかにして自らへのチャレンジを日常的に課し、ク ラフトにおける限界を探求していくか、ということです。「それは、マテリアル(材料)とプロセスのイノベーションを推進し、未来の当たり前へと持ち込んでいくことであり、ハンドクラフトやプロトタイピングにおけるクオリティの高さと、新たな製造技術がもたらす無限の可能性とを結び付けていくことでもあります。Futurecraft では、余分なものを捨て去り、速くて・無添加・リアルであることにこだわったデザインへのアプローチを重視しています。」

Futurecraft が掲げるクリエイティブ・コラボレーションのビジョンにふさわしく、Futurecraft 3D はアディダスとマテリアライズとのオープンソース・パート ナーシップにより実現しました。Futurecraft にちなんだ一連の取り組みでは、今後 6 ヶ月間にわたって画期的なデザイン・イノベーションの数々 を発表し、「世界最高のスポーツブランドになる」というアディダスのミッションをさらに支えていきます。

 

Futurecraft 3Dの詳細については、news.adidas.comアディダスYouTubeを ご覧ください。

All images courtesy of adidas