まずは3Dモデルをソリッド化
レプリカを光造形3Dプリンターで制作するためマテリアライズがまず入手したのは、映画等の特殊効果を手掛ける企業「Grid VFX」を通じ制作された、戦列艦のサーフェスデザインファイル。しかし非常に細かい隙間やディテールが含まれたその3Dモデルは、そのまま3Dプリントに使えるものではありません。そこでマテリアライズと& designshopはデータ準備用ソフトウェア Materialise Magics を使ってデータをソリッド化。Materialise Magicsはその他のエラーも修正し、3Dプリントに最適な状態へとブラッシュアップします。
戦列艦の3Dファイルはその後、監視塔、ランタン、大砲、デッキなどの各部位に分割。さらに造形後の塗装と組み立てをスムーズに行うため、その他の細かい部分も本体から切り離されました。さらにパーツが薄すぎ造形中に破損してしまうことを避けるため、帆、旗、ロープ、いかり、大砲等の部分にも十分な肉厚があることを確認。船体内部にはモデル強度を補完するテトラシェル構造を追加し、展示台にレプリカを固定する穴が複数開けられました。こうして52のシェルに分割された軍艦は、ついに出力段階へ。
3Dプリントの使用で、プロジェクト期間は18ヶ月から7ヶ月に
通常手作りで制作される軍艦レプリカは完成までに1年半程度かかることも珍しくない中、今回3Dプリントを活用したデザインスタジオ& designshopは、プロジェクト開始後7ヶ月で「デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」のレプリカを納品することに成功しました。
約40時間のデータ準備、11日間の造形と仕上げを経た軍艦の3Dプリントは、塗装と組み立てを任された模型技師Wasili Angelopoulos氏のもとへ。最後に完成したのは私たちを大航海時代に連れ戻してくれそうな、リアリティあふれるレプリカです。
「3Dプリント用ソフトウェアをビジネス改善に活かしたいけれど、どういった選択肢があるのかわからない」とお悩みのお客様は、お気軽にマテリアライズにご相談ください。貴社の事業の効率化に最適なソリューションをご提案させていただきます。